俺の女
「…んやねん畜生ッ!耳いってぇ…」
耳を抑えながら、愁洩が呟くのを横目で見て、美蘭がため息をついた。
『どっちもどっちやな。』
「俺も悪ぃけ?!」
『今の言い方はあかんやろ〜…詳しい事情は知らんけどさ。愁洩がおちょくって…恋嘩がバカってゆーたんやろ?どっちもどっちやん。』
「だぁ〜!も〜!!」
美蘭に間違ってないことを言われ、愁洩はイライラして、ガーっと頭をかいてふて腐れる。
「どっか行ってもーたでー?」
「知るかッ!!!」
愁洩はドカッと階段に座り込んでしまった。
「あ〜ぁ。どっちもふてくされちったよ。どーする?」
『ほっといたら仲直りするやろ。先帰ってるからな?』
「ちゃんと仲直りしろよ〜」
「うっせぇ!!!」
愁洩が言い放つのを聞いて肩を落とし、そのまま諒弥と美蘭は去っていった。
「…なんやねん恋嘩の奴…!」
チラッと恋嘩の去った方を見るが、恋嘩の姿はない。
「…知るか知るか!!」
愁洩は横に首をブンブンふる。
…マジで男と行ったりしてへんやろぅなぁ…
「でも…ありえるよなぁ〜………」
愁洩はしばらく考える。
「だぁー!!!くそッ!」
愁洩は頭を掻きむしりながら立ち上がって、恋嘩の去った方へ歩き出した。