俺の女



「つ〜か姉御って怖いもんないんかなー?」





ふと、思いついたように爻が言った。





「さあ〜…ないんちゃうけー?(笑)」

「諒弥なんか知ってっけ?」





既喇と智稀が、窓を拭いていた諒弥をチラッと見た。





「知らんなあ〜」



『きゃあーーーっ!!!』

「「「!!!?」」」





…そんな話をしているとき、美蘭の悲鳴が聞こえた。



声がしたほうに駆け寄ってみると…





「あっ…姉御!?」

「どーしたんすかっ!?」





近くにいた、裕兎と剛軌が美蘭の傍に駆け寄る。






『ゴッ…ゴキブリがあ〜っ!!(泣)』





ゴキブリを指差して、半泣きな美蘭。





「…もしかして姉御…」

「ゴキブリ苦手??」





美蘭の驚きっぷりを見て、爻と既喇が不思議そうに聞く。


それに対して、目を手で覆って、大きく横に首を振る美蘭。





『無理無理っ!!ゴキブリだけは無理〜っ(泣)』

「…可愛いとこあるやんけw(笑)」

『どっかいってえ〜!!(泣)』





ゴキブリを蹴って外へ放り出す諒弥。





「…ほらっ。もーおらんでっ。」





諒弥が美蘭の頭をポンッと叩いた。





『あ…ありがとっ…//』





恐る恐る手をどけた美蘭の目は、まだ少し濡れていて、頬は少し赤かった。





「姉御、か〜わいっww」

「か弱いとこもあるんすねっw」

『うっ…うるさい〜っ///』





爻と既喇に言われて、恥ずかしくなって余計に顔を赤くする美蘭だった。



…すると、また別の場所から悲鳴が聞こえた。





『きゃあぁあ〜っ!!!』

「こっ…今度はなんや!?」
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