俺の女





「あ〜それ俺が作ってんぞ〜♪」

「ぶっ…」





愁洩が作ったと聞いて、少し吹き出す諒弥。





「ぶっ…てなんやねんっ!!(笑)マズイてかっ!?んなはずあるかあっ!!」


「…お前……なんか入れたけ?」





口元を押さえながら、眉間にしわを寄せて聞く諒弥。



「あぁ?」と言いながら、愁洩が材料を言いながら指を折った。





「卵やろー?醤油〜塩〜…みりん〜酢〜ソース〜…砂糖〜山椒〜マヨネーズ〜レモン汁っ!!」


「っっはぁ〜…ほれ、4つ目ぐらいからおかしいもん入っとんで〜…」





ため息をつきながら、下を向いて片手で頭を押さえる諒弥。


美蘭はア然、恋嘩は苦笑い。





「はあ!?なにがおかしいねん!!」

「…なんで酢やらみりん…レモン汁?」


「卵焼きは黄色やんけ!!」


「…やろーな。お前のやりそーな発想や……んな、なんで醤油と塩入れたあとにまた砂糖やねん?」


「…ノリ。」





…やろーな。


諒弥は苦笑いして、卵焼きが入った容器のフタを閉めた。





『愁洩が頑張って作ってたから…口出したら悪いな〜と思ってさ…(笑)』


『…あたしごめんやけど遠慮するわ…』





恋嘩の苦笑いと、美蘭の本気の顔を見て、愁洩は頭を抱えた。





「なにっ!?俺ミスった!?え!?」





そして1つ口に入れる……



………ぐはっ。


ちーん…。





「…とんでもない物を俺は作ってもーたんかっ……」


「…あいつらに風呂上がりに食わしたろ(笑)」


「あっ!!それナイス!!」





愁洩と諒弥が、悪戯をする子供のように目を光らせて、そのブツを台所から持ち出した。


恋嘩と美蘭は互いに心の中で、ちょっと仲間たちに同情していた(笑)
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