俺の女
『あほ共、遊んでんと運ぶん手伝ぃー。恋嘩に運ばす気?』
台所から顔を出して、美蘭が仲間たちに声をかけた。
そして、蕎麦を手に、リビングに入ってくる。
「あ…蕎麦っすか?持ちますよ!姐御っ」
美蘭から蕎麦を受け取る和輝に、「ありがと」とお礼を言いながら諒弥の横に座った。
『年越し蕎麦っ。もーあと30分ぐらいやし』
「ほんまや…早いなあ」
時計を見て、諒弥が立ち上がって愁洩を引っ張った。
「いーたーいっ!!なんやねんっ」
「蕎麦っ。恋嘩に全部運ばすんけ?火傷しよっても知らんぞ」
「!!そーかっ」
愁洩がバッ…と立ち上がって台所に走る。
諒弥も美蘭に「お前は座っててえーぞ」と言って、台所に入った。
仲間たちも続く。
「恋嘩〜置いといてあっち座っとけ」
『へっ?えーよー皆座っててw』
蕎麦が乗ったお盆を持とうとする恋嘩の手を掴んで、愁洩が横からお盆を持ち上げた。
「あほ。火傷したらどーすんねん」
「えーから座っとけって。」
ぽんっ、と諒弥に頭に手を乗せられて、『じゃあ…よろしくw』と、リビングで美蘭と一緒に座って待った。
蕎麦が机に並んで、食べはじめたのが新年より20分ほど前。
あったかい蕎麦をじっくり味わい、数分前に恋嘩が時計を見て、リモコンを手に取った。