俺の女
俺らがいるやん
「…正月って…暇やなぁー。」
『…暇やんなぁ…。』
ゴロゴロしながら退屈そうに呟く愁洩と恋嘩。
その横で、みかんを食べていた美蘭もため息混じりで呟く。
『まぁー…暇じゃないってゆーたら嘘になんなぁ…』
「テレビもおもんないのばっかやし…」
諒弥もピコピコとチャンネルでテレビを見ていたが、最終的にテレビを消してチャンネルを机に置く。
そんな時、恋嘩の傍に笑顔でやってきた剛軌。
「れーんーかーチャンw暇なら俺らと初詣行こーやあw」
『初詣っ?!w』
楽しそうな言葉を聞いて、目を輝かせてガバッと起き上がる恋嘩。
智稀も剛軌の肩に腕を置いて恋嘩を誘う。
「そw初詣wせっかくやし行こーw」
『うんッ!行く行くー♪』
「待てやお前らぁ!俺も行くしなっ!」
ムクッと起き上がる愁洩を見て、ため息をつく仲間達。
「なんッッで来んねん!!!」
既喇が舌打ちをしながら、うんざりしたように言う。
その反応に納得のいかない愁洩は、立ち上がって既喇にガンを飛ばす。
「なんでって…あほ、お前…恋嘩を1人で行かせられっかぁ!」
「1人ちゃうやんけ!俺らがおるやん!」
裕兎も口論するが、愁洩は納得いかないまま反抗し続ける。
「あほゆえっ!お前らが危ないねん!」
「危なないわっ!!!来んな!」
さらに甲斐にのけ者にされ、だんだん愁洩の頭に血が上る。
「あぁ?!お前ら…俺ぁーこれでもこの族の頭やぞッ?!」
「それでねぇー…(笑)」
最後の爻の一言で、プチッ…っと愁洩の我慢が切れる。
「カッチーン……っんやとぉ?!」
『やめぇーい!!!』
ピタッ…シーン…
今にも喧嘩が始まりそうだったとき、美蘭の一声で場が静まり返った。