俺の女





玄関のほうから声がして、洗い物をしていた美蘭が手を止めて、台所からの暖簾をくぐった。





『っ……ちょっとー!あんたらびしょびしょで何やってんのよ!』





ビショビショで帰ってきた全員を見て、声をあげる美蘭。





「「「す…すぃません…(汗)」」」





美蘭に怒られて、後頭部に片手をあてて謝る仲間たち。


その後ろで、愁洩に服の袖で頭を拭かれている恋嘩が見えて、さらに声をあげる。





『恋嘩っ!あんたまで濡れてっ!風邪引いたらどーすんの?!』

『ごめんなさぁぃ…(笑)』


『早くお風呂入ってきなさぃ!』

『え…でも皆が…』





自分よりも濡れている仲間たちを、申し訳なさそうに見回す。



遠慮がちな恋嘩に、歃斗と鑄が笑顔を向けて、ぽんっと軽く背中を叩いた。





「俺らは後でえーでw」


「恋嘩チャンは大事な体なんやし先入りっw」

『ほんまっ…?ありがと…すぐ入って来るなあ!』


「俺も入るぅー」





ガシッ―――


恋嘩のあとに続こうとする愁洩の服を掴む湧愾。





「なんでお前まで行く必要があんねん」

「えーやんけ別にぃ!!!」

「誰が行かせっか!バーカ」


「ちぇッ…」
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