俺の女



恋嘩が祭壇から降りると、先にお参りを終わっていた美蘭が恋嘩に声をかけた。




『恋嘩ーwおみくじあんでーw』


『嘘ーwやるやるーw』





美蘭と諒弥の元へ走る恋嘩。
その後に微笑ましい表情で愁洩も続く。


おみくじを引いて、交換した紙を開くと…





『あっw中吉やーw』




恋嘩に続いて、愁洩もバッと紙を開いた。





「…俺もー!!!なーんや…大吉ちゃうんかよー…」


「大吉はそれが一番いいやつやから、それ以上運は上がらんけど、中吉ならもう一個上に上がれるやろ?大吉にwやからそっちのほーがえーねんで。」





つまんなさそーに肩を落としていた愁洩に、諒弥が声をかけた。

それを聞いた恋嘩も、なるほどーw…と、紙を空に掲げた。





『そっかぁーwじゃー中吉でいいやぁw』

「おw俺の恋愛成就やってw」

『…あ!あたしのにも書いてあるーw』

「やったなw俺ら今年もえー感じやなっwまー当たり前やけどっ!」

『うんッ♪』



『あそこの木の枝に結び付けるんよw』





美蘭が指さしたほうを見ると、数本の木におみくじがいっぱい結び付けられていた。





『わかったぁw行って来るw』





タッタッタッ…





『ん…届かへんッ…』





恋嘩が、結ぶ場所がありそうな上の方にくくりつけようと背伸びをするが、なかなか届かないのを見かねて愁洩が笑う。





「お前ほんっま、ちっこいなぁ(笑)貸してみ?」

『ありがとーw』





恋嘩から紙を受け取って、くくれそうな所を探し出す愁洩。


ふうっ…っと息をついて、くるっと周りを見渡すと、雪合戦を始めて、美蘭に怒られている仲間たちが目に入り、くすっと笑った。





「「……恋嘩…?」」


『―――っえ?』





自分の名前を呼ばれて、恋嘩が振り返ると…忘れられない女の人が立っていた。





『おっ…お母さん…?』


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