俺の女
「「おい。行くぞ。何してんねん」」
女の人の向こうから、男の人が覗き込む。
その隣には、あと2人もいた。
「「……お前は…」」
その男も、恋嘩を見て目を丸くした。
―――忘れるはずがない。
この人たちは…
『…お…父さん…?と…美蘭の…』
「恋嘩ーwできたぞーw」
呆然と立ち尽くす恋嘩の傍に、愁洩が笑顔で歩いて来る。
そして、恋嘩と向き合う大人4人を見て眉をひそめる。
「…誰?」
恋嘩の父も、愁洩を見て訝しげな表情を浮かべた。
「「…誰や?その男は…」」
『この人は…彼氏の愁洩…』
「「まぁ…」」
「「こんなチャラチャラした男と付き合ってんのか?」」
美蘭の母が、手で口元を覆い、美蘭の父がジロジロと愁洩を見る。
その態度に、愁洩もイラッ…っと大人たちを見上げた。
「…あ?」
『ちょっと!やめてよそんな言い方!!!』
一歩前に出て、愁洩を庇うようにして訴える恋嘩。
「恋嘩…誰?この人ら。」
『あたしと美蘭の……お母さんと…お父さん…』
「…えぇッ?!マジでかぁッ?!」
昨日話していた行方知らずの人物に遭遇し、露骨に驚く愁洩。
恋嘩らの両親やーゆーても…
お付き合いの挨拶って空気ちゃうな…。
そこへ、仲間達も集合する。
「恋嘩チャーンwあっちに甘酒あんでーw」
裕兎がまず、甘酒を片手に歩いてきた。
そして、恋嘩たちの前にいる4人の大人を見て、あとから来た爻が足を止める。
「……え?誰?」
仲間達も、思わず立ち止まった。