俺の女




『今…なんて…』

「「俺達が生きていく上で邪魔やった。」」


『何言ってるんですかッ?!自分の子供が邪魔なんて…』





その冷たい言葉を口にする父の隣で、母は何も言わない。


恋嘩は…母の言葉を待った。
否定してほしかった。



「「ちがう」」って、ただ一言、言ってほしかった…





『…嘘やんな?お…母さん…。』

「「…」」

『貴方は…あたしのお母さん…ですよね?』




なにも言ってくれないことで、それさえも不安になって思わず口からでた言葉。


…少し間をおいて、やっと口を開いてくれた。





「「…えぇ。確かに…あなたを産んだのはあたし。」」





…その言葉にほっとして…
恋嘩は胸のうちに期待を込めた。


なら…なら……




『あたしのお母さんなら…喜んでくれるよな?」

「「…?」」


『あたしなッ…子供ができたねんッ!』



「「…え?」」

「「なんやと?!」」





母が驚いて表情を凍らせ、父が声を張り上げる。
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