俺の女
「俺が働いて金作る。俺だけじゃない。こいつらも働いてくれる。」
首をちょっと後ろに向け、仲間たちのことも強調する。
仲間達は、真っ直ぐした目で頷いた。
「俺は…恋嘩と結婚して…こいつらと、皆で子供を育てる。」
「「…なんの根拠で子供を産むんだ。」」
恋嘩の父の言葉に、一度下を向いてから、顔を上げて迷いなく答える。
「…恋嘩を愛してッから。」
「「…!!」」
「愛し合って…俺らの間にできた子やから。」
「「…ふんッ…達者やな。くだらないガキ同士の愛ごときで…人生を捨てんのか。」」
「…んやとッ――」
「…愁洩」
心無い恋嘩の父の言葉に、我慢の限界が近づく。
そして殴り掛かろうとした愁洩の腕を、諒弥が掴んで止めた。
『子供ができて人生を捨てるわけじゃないやん…。またみんなで…新しい人生を作っていくんやん!』
「「今のうちはね…綺麗事ばっか言ってるけど…実際産んだらそんな生ぬるいもんじゃないんよ。」」
『―――ッ…』
美蘭の母の言葉に、言葉を詰まらせる。
我慢のならない美蘭が、母親に声を張り上げた。
『お母さんは関係ないやん!!口出しせんといてって言ってるやろ!?』
「「あたしがそーだったから言ってんのよっ!!」」
母親の言葉に、美蘭は言葉をなくした。
「「…ごめんね美蘭。こんな母親で。」」
そう言って父親と共に先にその場を去った。
父親は、美蘭を少し見て「すまない」と呟いて去っていった。