俺の女
「「…おろしなさい。」」
『……いややッ!!』
自分の親を唇を噛んで見送ったあと、恋嘩の母親に向き直る美蘭。
『…なんでそんなこと言うんですか?!自分の子供のことでしょう?!自分の子供のことなら…親として…喜んであげるべきなんじゃないんですか?!』
「「そんな親の言うことの聞かんような奴…娘なんかじゃない」」
父親の口から出た思いもよらない言葉。
恋嘩の目から涙が零れる。
「「そうね…。こんなに我侭な子だとは思わなかった。会って損したわ。」」
「「これから一切…お前とは関わらない。」」
「「貴方と縁を切るわ。もう…あたし達の子供じゃない。」」
…その一言一言が、恋嘩をどん底に落とし入れる。
恋嘩は、魂が抜けたように立ち尽くしていた。
…その言葉に見兼ねた愁洩は、我慢ができず、拳を握り締めた。
「…ッッてめぇら言わせておきゃぁ!!」
「「――殴んのか?」」
「――ッ!?」
ピタッと拳を止める愁洩を見て、ニヤッと笑う恋嘩の父親。
「「こんな所で騒ぎを起こしては…まずいんじゃないのか?(笑)」」
「ッッ!!!」
「「…じゃあね。さようなら。」」
「「ま…子供を捨てる前によく考えるんやな。捨ててからじゃ…恨まれるだけやぞ」」
「「…こんな風にね。」」
そう吐き捨てるように言って、男と女は去って行った…