俺の女


『ぅッ…ひっくッ…(泣)』

 
「「「………」」」

『………』

「〜〜〜〜〜!!!」





それぞれの複雑な思いで、アジトに戻った。

普段涙を見せない美蘭も、諒弥の腕に抱かれて泣いていた。


仲間たちも、複雑な表情の中で、自分たちの両親のことも考えていたのかもしれない。





…愁洩の部屋では、涙の止まらない恋嘩が、未だに泣き続けていた。






『ッ…(泣)』

「……恋嘩…」





愁洩は、泣き続ける恋嘩の肩を抱いた。





『ッ…お母さんとお父さんッ…あんな人やったなんてぇッ…(泣)』

「………」





…複雑な表情で、恋嘩を自分の胸に抱き寄せる愁洩。





『……愁洩ッ…』

「…ん?…どーした?」

『産んだらッ…あかんのかなッ…?』






…震えて、消えるような不安がつまった声で、恋嘩が呟いた。
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