俺の女



「俺ら2人だけちゃう。美蘭も諒弥も…あいつらもいっぱいおるんや。…お前は1人やない。お前には…俺らがいるやん。俺らで愛情いっぱい注いで…幸せな家庭にしたろーや。」

『うんッ…ありがとぅ…』

「…お前はなんも心配することないんや」





優しく恋嘩の頭を撫でる。


恋嘩は、唇を噛んで涙を堪え、愁洩の胸に顔を押し付ける。





「…もうちょい泣けや。泣きたい時は…我慢すんな。」

『ぅッ…(泣)』





あたしは…愁洩の腕の中で…いっぱいいっぱい泣いた。



ずっと大好きやった…ずっと信じてたお父さんとお母さんに…あんなこと言われて…。



もし…あたしが1人やったら…絶対生きてられんかった。





愁洩がいてくれたから…愁洩が抱きしめてくれるから…今、生きてられる。




今…あたしのお腹の中にいる、あたしと愁洩の子供。


あたしらが望んで…できた子供。
その子が…邪魔になるわけないやん。




この子と一緒に…第二の人生を歩む。

3人だけじゃなくて…皆と。
あたしを支えてくれてる…皆と。




子供に皆の愛情をいっぱいあげて…幸せいっぱいにさせてあげたい。


あたしは…絶対産むで。

この世界に産まれてきてほしい…迎え入れてあげたい。




この世界で…この子と会いたい…。
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