俺の女
玄関のちょっと出た所まで来て、みんなを見送る恋嘩。
『いってらっしゃーぃw頑張ってなぁ♪』
「おぅ☆」
愁洩がピースを向け、仲間たちもそれぞれ別れを告げて歩いて行った。
恋嘩は皆が見えなくなるまで手を振り、手をおろした。
『ふぅ…あぁ〜重ッ…。』
お腹に手を置き、そして空を見上げる。
『ん〜♪いい天気やねぇーw』
そう言って恋嘩はお腹をさする。
―――その時…
『…んッ……』
お腹に激しい痛みが襲いかかった。
『―――ッ…嘘やぁッ…』
恋嘩はその場に膝をつく。
『―――ッぅ…やばッ…』
…その頃、愁洩は…
「あ…ヤベ…俺携帯忘れちったw」
「携帯???」
後ろを歩いていた愁洩の声に振り返る諒弥。
隣を歩いていた智弥も笑う。
「普通忘れっかぁー?(笑)」
「わりッw先行っててーやw後から行くしw」
「遅刻すっと片瀬がうっさいぞー?(笑)」
「わぁーってるってw」
甲斐の肩をポンッと叩いて、愁洩は走り出す。
でも、本当の理由は…
「へッへーw携帯なんか忘れっかよw恋嘩に俺だけで会うねんしッ(笑)」
愁洩は、走って路地を曲がった。
その時、見えたのは膝をついて苦しんでいる女の人だった。