俺の女



一方、仕事中の愁洩たち。


甲斐と一緒に荷物を運んでいた愁洩に、片瀬さんが声をかける。





「「愁洩ー!」」

「あぁー?」

「「ちょっと来い!」」

「はぁ?」




片瀬さんの方を見て、めんどくさそうに息をつきながら、持っていた荷物から手を離す。



スッ…





「おいッ!―――あほッ!急に離すなッ!!!」





ドサッ!!!


愁洩が急に荷物を離したため、甲斐の足の上に落ちる。

甲斐は痛そうな声を出しながら、その場にしゃがみこむ。






「ッッッてぇー…」


「あぁーわりぃわりぃw爻ーバトンタ−ッチw」

「…俺かよ(笑)」





次の荷物を取りに戻ってきた爻にハイタッチをして、無理矢理おしつける。

仕方なく爻が甲斐と一緒に荷物を持つ。





「なんやねん片瀬ぇー!俺は仕事中やぞ?!し・ご・と・ちゅ・う!(笑)」





作業着のポケットに手を突っ込みながら、眉間にしわを寄せて、笑いながら片瀬さんに近づく愁洩。


えらそうにしている愁洩を細目で見て、愁洩から視線を逸らす。





「「仕事中ならえーな。諒弥にかわんぞ。」」

「嘘やんけ!(笑)…で?何?」

「「美蘭チャンや。」」




電話を突き出され、それを受け取る。





「ん。…もしもしぃー?」
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