俺の女
『あ!愁洩?今、診察終わった。』
「どーやった!?」
『まだやって。でもこれから徐々に陣痛がきたら…産まれるかもってさ。』
「マジでッ?!」
『うん。いつそーなるかもわからんから、あたしは今日泊まるわぁ。』
それを聞いた愁洩が、面白くなさそうに電話越しに不満を漏らす。
「えー?お前が?俺はぁ?」
『あんたが来てもなんにもできひんやろっ!』
「……そーやけど(笑)寂しーやぁん…」
『…これでも?(笑)』
「はッ?」
電話の向こうで話し声が聞こえ、少し待っていると…
大好きな声が聞こえた。
『もしもーしッw』
受話器の向こうから聞こえた声にテンションが上がる愁洩。
「!!恋嘩ーw」
「「「えッ?!」」」
その名前に仲間たちが反応する。
荷物を地面に置いて、翔と竣と歃斗が愁洩が持っている電話に手を伸ばす。
「恋嘩チャンやとッ?!」
「貸せ!愁洩!!」
「俺にも代われッ!」
「あぁっ!?やめろやッ!!俺が喋ってるんじゃ!」
さっきまでお腹が痛かった恋嘩も、いつもの皆のやりとりを聞いて、気分も楽になって笑顔が戻る。
『仕事頑張ってるー?』
「あぁッw頑張ってんでーwお前腹大丈夫か?」
『うんw今は大丈夫ーw』
「また痛なったときも頑張れよ???お前がしっかりせんとなw」
『うんッw頑張る♪愁洩も仕事頑張ってなぁw』
「おぅよッ☆」
その後も少し話した後、美蘭と諒弥が喋って、電話を切った。
代わってもらえなかった仲間たちは、ふて腐れながらも皆仕事に戻った。