俺の女
「どッ…どーした?!」
『産まれそうッ!!!』
「……え?」
『だからッ!産まれそう!!!』
「!!!なんやてぇ?!」
荷物を置きに行ったはずの愁洩が、携帯を持って声をあげている。
通り掛かった仲間たちが、疑問を投げ掛ける。
「おぅおぅ!どーした?!早く運べって…」
「てめぇら大変やっ!!!」
「「「???」」」
「恋嘩が産まれそうやぁッ!!!」
「「「なんやてぇっ!??!」」」
愁洩の必死の声と言葉に、仲間たちも驚きの表情を返す。
ちょうど通り掛かった片瀬さんも、足を止めた。
「「!!!…お前ら何ぼさっとしてんねん!!!」」
片瀬さんの声を聞いて、皆が一斉に振り返った。
屡尉と秀平が、片瀬さんにすがるような声を出す。
「片瀬ッ…」
「片瀬ッ!!!聞いてくれやッ!」
「恋嘩がッ…」
仕事放棄を許してくれないだろうと思い、必死に訴えようとする愁洩たちだったが…
「「早よ病院行け!てめぇらッ!!!もたもたすんじゃねぇッ!」」
「え…でもよぉ…仕事ッ…」
「「仕事なんて俺らがやってやる!!!」」
「「そーや!さっさと行け!産まれんねんろ?!」」
武田さんと岡田さんも、仲間たちをせりたてた。
愁洩は拳を握りしめ、ガバッと頭を下げて、仲間たちに声をあげながら走った。
「行くぞお前らぁ!」
「「「おおっ!!」」」