俺の女
―――病院
ダンダンダンッ!!!
力強い足音で、階段を駆け上がる。
「ちっくしょぉッ!エレベーターないんかよッ!」
イライラと階段を上り続ける愁洩を追いながら、篤諮が叫ぶ。
「だからぁ!あっちにあったっちゅーたやん!!人の話聞けよッ!」
「それどころやないねんッ!恋嘩恋嘩恋嘩恋嘩ッ!!!」
「おい!ここは病院やぞッ?!もっと静かにしろッ!」
諒弥が愁洩に注意するが、諒弥の声も大きい。
仁が息を切らしながら愁洩に聞く。
「つーかどこか知ってんのかよ!」
「知らんわッ!」
「「「はぁッ?!」」」
予想外の言葉に、足を止める仲間たち。
その仲間たちの反応に対して、愁洩も足を止めた。
「なんやねん…お前らが誰か知ってんちゃうんかよッ!」
「知るかぁッ!!!」
混乱して声の制御ができず、大声が院内に響き渡る。
パニック状態の愁洩達に、通り掛かった看護婦さんが話し掛ける。
+「すいません…病院ではお静かに…」
「あぁッ…すんませんッ!あの…恋嘩って女の子知りませんか?!」
諒弥が軽く頭を下げながら看護婦さんに問うと、看護婦さんは少し笑顔を返した。
+「恋嘩ちゃん?知ってますよ!お知り合いの方ですか?」
「そーっす!俺、恋嘩の旦那っ!!恋嘩どこおんの?!」
+「…こっちですよ!でも静かにね!」