俺の女
『ん゛――ッ!!!はぁッ…』
+「頑張れ頑張れ!頭見えて来たよー!!」
+「お母さん!頑張って!赤ちゃんも頑張ってるんですよー!」
『うッ…ん゛―――!!!』
そして…数十分後―――
「おぎゃぁッ…おぎゃぁッ…」
赤ちゃんの泣き声がして、皆が一斉に顔を上げた。
「「「!!!」」」
『うッ…産まれたッ…』
「よ…よかったぁ〜…」
「「「はぁぁぁ〜…」」」
愁洩が…皆がその場に崩れ込んだ。
安易の笑顔を浮かべて、皆で笑い合う。
一方の恋嘩は、ぼーっとする意識の中、目の前の大きな照明を見つめながら、息を切らしていた。
『はぁッ…はぁッ…』
+「よく頑張ったね。」
+「元気な男の子ですよーw」
『お…とこのこ…?』
先生が赤ちゃんを見せてくれた。
まだ産まれたてで小さくて、臍の緒もまだついている。
「おぎゃぁッ!おぎゃぁッ!」
『可愛い…ちっちゃぁぃ…w』
かすれぎみの声だったが、赤ちゃんを見て、恋嘩も笑顔になった。
+「ちょっとお風呂に入れてあげますね。」
『はぃ…』
+「よく頑張ったね。」
『ありがとぅございましたぁ…』
恋嘩は先生に微笑んだ。
先生も微笑んで、それからチラッとドアの方を見た。
+「彼らは来てるんかな?」
『仕事だし…たぶんまだ…』
+「そーかな?なんか声が聞こえてくるんやけどなぁ(笑)」
『…え?』
恋嘩もドアのほうを見て、耳を澄ませた。