俺の女




「扎墅…なんでそのこと早く俺に言わへんねん」





愁洩が扎墅の胸倉を掴みあげて言った。





「…だってよッ…お前…妻子持ちやぞッ?!今の幸せ…潰したないやろッ?!」

「あぁ…そりゃーもちろんや…。なによりも今後の幸せを願ってる…。けどなぁ。あいつらは過去に…俺の妻、恋嘩をありえんほど傷つけよった奴やぞッ?!俺が恨んでへんとでも思ってたんけッ?!」


「思ってへんわッ!…そりゃぁ…ここにいる誰よりもお前があいつらを恨んでると思った…。でも…今お前まであいつらんとこ行く必要ないやんけッ!」





愁洩の腕を振りほどいて叫ぶ扎墅。

他の仲間も愁洩をなだめる。





「そーや…愁洩。お前はここで…」

「何ふざけたことゆーとんねんッ!!!俺が一番…あいつらをぶっ殺したいんやッ!」





智弥の言葉を遮って、怒り狂ったように叫び散らす愁洩。


俯いて座っていた蒋哉が、ガバッと顔を上げる。





「けどなぁ…今お前には…嫁さんおるやろッ!姫や!誰もが大事に思ってる姫やッ!それに…徹哉だっているやろッ?!」

「………」
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