俺の女



言葉を詰まらせ、愁洩が黙った。


燵弥が続く。





「徹哉の父親は…お前しかおらんねんぞッ?!お前がおらんなったら…姫だって…徹哉だって絶対堪えられへんぞッ!!!」

「俺は絶対死なへん。」

「そんなもんてめぇにわかるかッ!」





裕兎が声を上げるが、愁洩は怯まない。





「わかるッ!俺は…あの2人を置いて死ぬわけにはいかんねんッ!誰が死ぬか…あいつらぶっ殺して生き延びたるわッ!」

「…あかん。お前はくんな。」





仲間達と言い合う中、1番自分のことをわかってくれていると思っていた諒弥にまで止められ、愁洩は目を丸くして驚いた。





「なんやねん諒弥ッ!お前が…1番俺のことわかってくれるんちゃうんけッ?!」

「あぁ…わかる。お前の気持ちはめっちゃよーわかる。けどなぁ…万が一の…最悪の場合を考えろッ!」

「―――――ッ…」
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