俺の女
めったに怒鳴らない諒弥の威勢に、仲間たちも息を飲んだ。
「お前がもし死んだら…恋嘩と徹哉はどーすんねんッ?!お前が死んだら…多分恋嘩は泣き続けるやろな……いや…お前のあと追って死ぬかもしれへんッ!そしたら徹哉はどーなんねんッ!!!」
「ッッッ………でもよぉッ…」
愁洩は膝をついて、悔しそうに地面を殴った。
愁洩の傍に寄って、諒弥が愁洩の肩にそっと手を置く。
「くやしい気持ちはわかる…。でも今のお前は…ただの劉毅の頭やなくて……妻子を持った一家の大黒柱や。夫であり、父親なんや。お前は…生きてなあかんねん…。家族守らなあかんねんッ!!!」
「……諒弥ッ…」
「…ぱぱぁ?」
「「「―――ッ…」」」
幼い声がして、全員が振り返った。
そこには、不思議そうな顔で、テチテチ歩いてくる徹哉がいた。
「どーちたの?なんれないてりゅの?」
「なッ…なんもないッ…」
愁洩は徹哉に背を向けて、涙を拭き取った。
「「「……………」」」
「みんにゃこにゃいかりゃ…みーたん、ぷんぷんらよ?」
「ッ…やべッ!姉御怒ってるって!」
「サンキュー徹哉w呼びに来てくれてんなw」
亮駕が時計を見ると、結構時間が経ってしまっていた。
雄祐が徹哉の頭を撫でると、徹哉はニコッと笑って、雄祐たちの手を引いた。
「ちょーらよwいこッw」
「ほら。行くぞ。」
「あぁ…」
諒弥にポンッと肩を叩かれて、愁洩も立ち上がった。