俺の女
皆が黙り込む中、諒弥が続ける。
「三ヶ月も彼女連れまわされて…帰ってきた彼女は心も体も傷ついたボロボロの姿。そんな風にした奴らのこと…恨まずにいられっか…?復讐したるって思わんか…?」
「そら…思う。俺らだって…姫は彼女やないけど…めっちゃ思う。」
誰もが、屡尉と同じことを思っていた。
「…それを一番思ってんのは…愁洩やろ?」
「「「………」」」
さらに重なる諒弥の言葉に、もう仲間たちは何も言えなかった…。
「…だから…愁洩の気持ちもわかったれ。」
「でも…それを1人で行かせんのか…?」
「んなことさせっか。つーかさせへん。余裕で俺らも行く。」
猩瓷の問い掛けに、真顔で答える諒弥。
その諒弥の言葉を聞いて、伸哉が笑った。
「…おしッ!」
「さっすが諒弥w」
「それでこそ俺らの頭やッw」
匠と舜也も、どことなく嬉しそうな表情を見せた。
「…えーか?絶対愁洩を1人で行かせんよーにせぇよ?」
「ったり前やぁ!」
「ぜってー1人で行かせへん!」
和輝と隆峨も、拳を握りしめて誓った。
納得してくれた仲間たちを見て、安心したようにタバコに火をつける諒弥。
「おし。そーと決まったら…今日は3人だけにしたれ。」
「「「………???」」」
「あいつも…なんか話したいこともあるやろ…」
仲間たちは顔を見合わせた。
陽摩と鷹が腕を組んで呟く。
「…そーかもなぁ。」
「ん゛ー…くやしいけど…今日だけは見逃してやっか。」
そこへ、美蘭がりんごを持って入ってきた。
『皆ー。リンゴ食べる?』
「「「食べまーすww」」」
コロッと表情を変えて、りんごに手を伸ばす仲間たち。
やれやれ…と、笑いながらタバコを灰皿に押し付けて、諒弥もりんごに手を伸ばした。