俺の女



「…捨てられたから親を殺す…。自分の気にくわんもんは全部自分の前から消そうとする…。んな糞みてぇな理論には…誰も着いてかんぞ。」

「「…ふッ…バカか。俺には仲間達がいる(笑)なぁ…そーやろ?」」


「「「………」」」





竜馬が同意を求めて仲間を振り向く。


だが、【硫盟】一味は竜馬から目をそらした。





「「…どーした?」」

「「…お前が…人を殺めたなんて…」」

「「俺らは…そんな奴についてたんか…」」





そう言って、カズとヒロは鉄パイプを手放した。


カラァン…




2人の呟きを聞いて、竜馬は顔をしかめる。





「「…お前ら…?」」


「「正直…もう竜馬さんには着いて行けないっす…」」

「「すいません…」」





2人に続いて、他のメンバーも次々に鉄パイプを手放す。



カラァン…カララァン……






「「…なんやとッ…?この俺に…逆らうんか…?」」





竜馬の目の色が変わった。





「…っち。薬が切れたか」





それを感じとった愁洩が、小さく呟く。





「「俺に逆らう奴ぁ…皆殺しやぁ…」」





竜馬は腰からナイフを取り出した。





「「「げッ…」」」 





それを見て驚く【劉毅】。





「あいつ…ナイフなんか持っとんのけッ…」





嵩浩が鉄パイプを握りしめ、愁洩が俯いたまま呟く。





「……やめろ竜馬…」


「「…お前や愁洩…お前が変なことこいつらに教えるから…こいつらは狂ってもーた…お前のせいや!」」





愁洩は顔をあげて竜馬を睨みつける。





「別にこいつらは狂っとらんやろ…狂ってんのはお前や…竜馬。」

「「黙れ!俺は狂ってなんかない…俺が全部正しいんやッ!!」」
< 300 / 321 >

この作品をシェア

pagetop