俺の女



『あれ?皆なんでここに…』

「出んなッ!徹哉連れて中に入れ!!!」





既喇が声を荒げ、恋嘩は少し身を縮こめる。





『え…一体何が…』

「「恋嘩…」」





名前を呼ばれて、顔をあげると、カズの姿があった。





『――ッ…カズ…それに…硫盟ッ?!』





恋嘩は徹哉を抱きしめる。





「「それ…お前の子か…?」」





カズが目を細めて、徹哉を見た。

恋嘩は、徹哉を庇うようにして、カズを睨みつけた。





……やろーな。
俺は…好きやったお前に…あんなひどいことしてんもんな…



カズは…自分の思いを胸に押し殺した。





「まま…どおちたの?」

『……』





怖い目をしていた恋嘩を、不安げに見上げる徹哉。


黙ったままの恋嘩から視線を外して、クルッと辺りを見回す徹哉の目に映ったのは…





「ありぇ…ぱぱぁ?」

『――ッッ!!』





徹哉が見たほうに、視線を移した恋嘩は、ナイフを突き付けられている愁洩を見つけた。
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