俺の女
『…あ。やっと喋ってくれたなあ♪』
ほーら…離れて……
…あれっ?
…離れてかん……
っ…なんでや?
女わ、怯える様子なんかなく嬉しそーに、にこーっと笑った。
…こんときからやろーな。
俺が…こいつの笑顔に惚れたんは。
…いや。
外見で判断せんかったこいつの人間性に惚れたんかもな。
…めっちゃ好きになった。
こいつの笑顔。
こいつの笑顔を、傍でずっと守ったりたいと思った。
…俺、惚れた。
こいつに。
生まれて初めて、惚れた女ができた。
大切にしたりたいって思える奴ができた。
こいつは一生、俺が守ってったる。
―――そー決めた。
…せやのに。
…俺は自分を恨んだ。
自分を殺したりたかった。
なんで守ったれんかったんや。
…なんで俺が生きてんねん。
…最初は毎日そー思ってた。
…あのとき、あぁして、あいつに会うまでは…。