俺の女
「…んぁッ!!」
『爻…気ぃついた?よかったぁ…』
気絶していた爻が目を覚まし、恋嘩が安易のため息を漏らした。
「姫…ここは…」
『倉庫みたいなとこ…』
「マジでッ?!つーか姫縛られて…なんで俺だけ…」
恋嘩は鎖で腕と足を縛られているが、爻はなんの処置もされていなかった。
「今とくしッ…―――ッッてぇッ!!!(痛)」
立ち上がろうとした体に衝撃がはしり、爻はケガの痛みで地面に膝をついた。
『動いたあかんて!ケガしてるんやから…』
「ッッちくしょぉ!!!かっこわりぃ…俺…」
『…え?』
再び座って、俯いて目を伏せる爻の様子を、眉をひそめた恋嘩が覗き込む。
「俺がもっと強かったら…姫を守れてたのに…こんな目にも合わせへんかったのによ。」
悔しそうに苦笑いしながら、恋嘩から少し顔を背ける。
『爻…』
「俺のことなんてどぅでもいい!!今とくから…脱出すんで!」
『爻!あかんよ!動いたら傷が…』
―――――ガチャ
爻が傷ついた体を起こし、恋嘩のほうに身を乗り出した時……部屋のドアが開いた。
「「おー爻。目ぇ覚めたけ?(笑)」」
「…てめぇら…」
ズカズカと入ってくる連中を睨みつけながら、恋嘩を自分の後ろに庇う爻。
「「そー怒んなってぇ(笑)」」
「今すぐ姫を放せ」
「「…そーゆーわけにはいかへんねんなぁw」」
「あ゛ぁ?!」
「「おめーにはもう用なし。…次はそっちのお姫様の番やからw」」
連中が恋嘩を指差すと、恋嘩はビクッと体を震わせ、真っ青になった。
「…んやと?!」