俺の女
ブルンブルンブルーン…
意識が曖昧な爻の耳に、無数のバイクの音が聞こえた。
「「…お。ざんねーん、帰ってきたか」」
「っ…」
爻が微かに目を開くと、涼しい顔をした竜馬がこちらに歩いてきていた。
「「よー。待たせたな、てめーら。」」
「「お帰りっす竜馬さんw」」
「「何してたんやー?(笑)」」
竜馬が傷だらけで倒れている爻を見て笑う。
「「こいついじめてやしたw」」
「「中でも楽しんでるみたいっすよw」」
「「そぉかぁ。(笑)」」
自分の仲間たちの報告を聞いて、満足げに頷く竜馬。
その後ろから、内心イライラとしながら、冷静に愁洩が竜馬に目的を急かす。
「おぃ…こんなとこ連れてきて何すんねん」
「「あれ?連れて来たんすか?(笑)」」
愁洩たちの姿を見て、わざとらしく驚く硫盟の連中。
「「あぁ…この状況見せてやろーと思ってなぁ(笑)」」
「「じゃーもっとむちゃくちゃの方がよかったっすか?(笑)」」
「「ま…こいつらにゃぁ充分や。道開けろ。」」
ザッ…ザッ…
竜馬の一言で、不良たちの道が開いた。
「「「!!!!!」」」
その先には、血だらけでボロボロになって倒れている爻がいた。
「爻!!!」
甲斐が叫び、全員が爻の元に駆け寄った。