俺の女
『―――――ッッ…』
前の…蟷螂の人達との喧嘩と全然違う…互角やんっ…
恋嘩は、目の前の喧嘩を、唖然と見ていた。
「はぁッ…ッッ…姫ッ…」
息切れした声が背後から聞こえ、恋嘩が振り向くと、低い体制で一歩ずつ歩いてくる爻の姿があった。
右手で左手をおさえるようにして、体はあざだらけで血の跡も少なくない。
『爻!!!ひどいケガ…大丈夫なん?!』
「こんくらいどぉってことあらへん…」
「おぃ!爻!!!」
カラァン!!!
愁洩が奪った鉄パイプを爻の足元に投げた。
「それで恋嘩を守れ。。」
「あぁ…了解ッ…」
爻がそのパイプを拾うのを見て、視線を外そうとした愁洩に、恋嘩が呼びかける。
『愁洩!!!』
恋嘩の声を聞いて、そちらに目線をうつす。
不安を隠せない様子の恋嘩の目を見て、ふっと微笑む。
「…恋嘩。んな顔すんな。絶対お前は渡さへん…ぜってぇ守っから。」
『…うん…信じてる。』
「おう。…んじゃ、あいつらぶっ殺してくるわな。」
愁洩は恋嘩に背を向けたままそう言って、喧嘩の中に入って行った。