俺の女
鉄は鉄でなら…
壊せるかもやん!!!
恋嘩は体を伸ばして、ナイフを口でくわえた。
まずは手の鎖から…
ガチッ…ガチッ…
あかんッ…固い……
びくともせん…
ギリギリギリ…
ナイフでこすっても少し粉がこぼれるくらいで壊れない。
片方の手だけを抜こうと想っても…幅が狭くてどうしても抜けない。
もぅ!!なんなんよこれッ!!
ガチッ!!!ガチッ!!!…スッ…
『痛ッッッ…』
カランッ…
勢いよくしすぎて、ナイフで手を切ってしまい、その痛さで思わずナイフを落としてしまう。
結構深い傷口からは血が溢れ、タオルはさっきよりも真っ赤に染まる。
『―――――ッッ』
痛みに堪えながら、もう一度ナイフをくわえて、鎖に突き刺す。
ガチッ…ガチッ…
なんでッ…壊れてよッ…!!!
しかし、いくらやっても鎖は壊れない…
……痛いけど…腕を…引き千切るか…ナイフで切るしかないかも…。
チラッと男達の喧嘩を見る。
皆…血を流しても…アザができても…必死で戦ってる…
守られてるくらいなら…
恋嘩はガチガチ震えながら、ナイフを構える。
恐怖で息があがる。
『はぁッ……はぁッ…』