俺の女
『…また迷惑かけちゃった…意味ないやん』
恋嘩は、肩を落とした。
…そしてキッとした目で顔をあげ、さっきナイフと一緒に見つけた包帯を胸の所に巻き、転がっていた鉄パイプを握りしめた。
『あたしだって………!!!』
「「あたしだってなにー?(笑)」」
『!!!』
恋嘩が振り向くと、硫盟の男がニヤニヤと恋嘩の体を見回しながら近づいてくる。
「「またそんなハレンチな格好しちゃってぇーw」」
『あたしだって…やったるんやからぁっ!!!』
恋嘩は、鉄パイプを持って男に殴りかかった。
その声に反応して、全員が振り返る。
「「「!!!!!」」」
全員が目を丸くした。
爻と愁洩が叫ぶ。
「姫ッ?!」
「恋嘩ッッ…」
ッッカーン…
「「はぅあッッ…」」
…恋嘩が下から上に振り上げたパイプは、男の秘部を直撃した。
「「「うっ…そこはっ…」」」
痛そうに哀れむ表情をする男たち。
恋嘩に大事なところを殴られた男は、若干涙を流しながら仰向けに倒れた。
バタッ…
『やったぁwww』
ガッツポーズをして鉄パイプを肩に乗せる恋嘩に、慌てて爻が走り寄る。
「ひッ…姫!大人しくしてな危ないって!!!」
「つーかおまえ…どんな格好してんねん…」
愁洩も、恋嘩の包帯だけの上半身を見て、ため息まじりで頭をかいた。
『あたしだってやれんもん!!!座ってても邪魔なだけやもん!!!』
「邪魔ちゃうって…危ないから……」
愁洩の言葉の途中で、爻の表情が青ざめた。
「姫ッッ!!!後ろっっっ」
『…えッ?』