俺の女



『…また迷惑かけちゃった…意味ないやん』





恋嘩は、肩を落とした。



…そしてキッとした目で顔をあげ、さっきナイフと一緒に見つけた包帯を胸の所に巻き、転がっていた鉄パイプを握りしめた。





『あたしだって………!!!』

「「あたしだってなにー?(笑)」」

『!!!』





恋嘩が振り向くと、硫盟の男がニヤニヤと恋嘩の体を見回しながら近づいてくる。





「「またそんなハレンチな格好しちゃってぇーw」」

『あたしだって…やったるんやからぁっ!!!』





恋嘩は、鉄パイプを持って男に殴りかかった。


その声に反応して、全員が振り返る。





「「「!!!!!」」」





全員が目を丸くした。


爻と愁洩が叫ぶ。





「姫ッ?!」

「恋嘩ッッ…」





ッッカーン…





「「はぅあッッ…」」





…恋嘩が下から上に振り上げたパイプは、男の秘部を直撃した。





「「「うっ…そこはっ…」」」





痛そうに哀れむ表情をする男たち。


恋嘩に大事なところを殴られた男は、若干涙を流しながら仰向けに倒れた。





バタッ…





『やったぁwww』





ガッツポーズをして鉄パイプを肩に乗せる恋嘩に、慌てて爻が走り寄る。





「ひッ…姫!大人しくしてな危ないって!!!」

「つーかおまえ…どんな格好してんねん…」





愁洩も、恋嘩の包帯だけの上半身を見て、ため息まじりで頭をかいた。





『あたしだってやれんもん!!!座ってても邪魔なだけやもん!!!』

「邪魔ちゃうって…危ないから……」





愁洩の言葉の途中で、爻の表情が青ざめた。





「姫ッッ!!!後ろっっっ」

『…えッ?』
< 81 / 321 >

この作品をシェア

pagetop