俺の女
「「!!!!!」」
「残念やったなぁ…竜馬。」
鉄パイプをなくして、急に血相を変えて、怯えるように後ずさりする竜馬。
「「はっ…ちょっとまてや…俺は武器なんも持ってへんぞ…?卑怯ちゃうんけ…?」」
さっきとは正反対のことを言って、今の状況から逃れようとする竜馬に、愁洩は呆れたため息をついて、ギロッと竜馬を睨みつけた。
「卑怯?なにゆーとんねん。…てめーらさっきなんつった?…勝ちゃぁえーんやろ?てめぇによ…」
ガッッ!!!
「「ぐッ…」」
「「竜馬さん!!!」」
「「ちッ…一旦引き上げんぞ!!!」」
倒れた竜馬を見て、急に逃げ腰になる硫盟たち。
「あ゛?待てやおらぁ…」
「逃がすかよ……」
猩瓷と隆峨が鉄パイプ握りしめて殴りかかろうとするのを、愁洩が手で無言で制した。
「「てめぇらケガ人連れてさっさと逃げろ!!!」」
数人の男が竜馬を抱えにやってくる。
「…おい…てめぇら…」
「「「!!!!!」」」
愁洩がその男たちに静かに呼びかけ、男たちは動きを止める。
「くたばってるそいつにゆーとけ…次はくたばらんようにパイプしっかり握ってられる力つけとけ…ってな。」
「「………ちッ!」」
「「この借りは次にぜってぇ返す!!!」」
「「覚悟しとけや…」」
「…ほざくな。次、恋嘩に手え出してみろ。全員ぶっ殺す」
怒り狂った蛇のような鋭い目で睨みつけられ、その目を見た硫盟の男たちは恐怖を覚えた。
「「ッッッ…」」
「「おら!さっさと行くぞ!」」
「「あッ…あぁ…」」
硫盟の連中は嵐のように去って行った…