俺の女
「ッはぁ〜…てこずらせやがって…」
『愁洩!!!』
座り込む愁洩の元に、恋嘩が駆け寄った。
「あぁ…恋嘩…無事け?」
『無事け?じゃないって!!!愁洩……目…』
恋嘩がそっと目元に触れると、痛みに少しビクッと反応する愁洩。
「大丈夫やって…こんくれぇ…」
『すごい傷…早よ病院行こ!!!皆も!』
「医者は嫌いや…」
力が抜けたように、その場に寝転がる愁洩。
『んなこと言ってんと!!!携帯…って…あたしなんも持ってへんやん…』
「はぁ〜…誰も持ってねーって。どいつも慣れてっし平気やて」
『平気じゃないって…応急処置でもせんと……あ!そうや!包帯とか見つけたんやった!』
「お前だって血だらけやんけ……動くなって…」
『あたしは大丈夫!皆に守ってもらったから…』
恋嘩は走って包帯などをかき集めて、ケガの処置に回った。
都合よく、傷薬や消毒液、ガーゼやバンソーコーなどもあった。