俺の女
「いってぇ!!!」
消毒の痛みに呻く裕兎。
『ごめん!でも我慢して!!!』
「やっぱ女の子やなぁ…」
「こんなこともやっぱちゃんとできんのや…」
「そらそーやろ?」
湧愾・膏一・嵩浩が呟いていると…
ザッ……
「…どーしてん?爻。」
愁洩の前に、暗い顔をした爻がひざまづいた。
「わりぃ…愁洩…。俺がもっと強かったら…姫をあんな目に合わせんですんだし…それに俺がちゃんと見てりゃぁお前もこんなことに…」
「なーにゆーとんねん(笑)らしくもねぇ…」
愁洩が馬鹿にしたように笑っても、爻は顔色を変えなかった。
「マジやて…。俺…こんな頼りねぇし…もーこの族抜ける覚悟もできてっから…!!!」
「「「!!!?」」」
その言葉に、全員が爻を見た。
爻は真剣な目で愁洩を見つめる。
「…ばか野郎。」
「!!………」
愁洩の口から出た予想外の言葉に、爻の中の張り詰めた糸が切れた。
「この一味から1人でも抜けたらあかんねん。1人でも抜けりゃぁ…劉毅じゃない。」
「愁洩…」