俺の女
優しさ
大体の処置も終わり、なんとか帰ってこれたメンバーだったが…
……今の状況は。
半泣きでドアを叩いて叫ぶ恋嘩。
その後ろで困った顔をして腕を組んでいる男達。
『美蘭ー!!!入れてー!』
『こんな時間までなにしてたんよッ!しかもなに?!その格好!!!皆ケガしてるし!なにして遊んでたん?!』
いや…別に遊んでたわけじゃ…
傷だらけの男たちが心の中でツッコむ。
恋嘩はドアの前で、向こう側の美蘭に呼びかけ続けた。
『ごめんなさいー!入れてぇー!!!』
『あかん!!!今日は外で反省しぃ!』
『そんなぁー!!!』
開かない扉を前に、涙混じりの声を上げる恋嘩。
『…ばかっ』
…すると、怒っていた美蘭の声が、急に弱々しくなった。
鼻をすするような声も聞こえ、恋嘩はドアに手をあてた。
『…美蘭?』
『…心配……したんやからッ…』
震えた声で、呟くように出た美蘭の言葉に、恋嘩は心を痛めた。
『…美蘭……ごめんなっ…』
…すると、ドアの向こうからもう1つの声が聞こえた。
「入れたりーや。美蘭。」
「諒弥?!てめッ…そこにいんのか?!」
「開けろやぁー!!!」
中からの諒弥の声を聞いて、愁洩と匠が叫んだ。
「……開けていいけ?」
『…うん…。』
―――――――ガチャ。
ドアを開けて、目の前の仲間たちのケガだらけの姿を見て、苦笑いを浮かべる諒弥。
「…えらぃ有様やな…(笑)」
「うっさいわ…(笑)」
愁洩は、強気な笑顔を返した。
そして、恋嘩が諒弥の後ろにいた美蘭の元に駆け寄る……
『美蘭ッ…』
パンッ…!!!