女嫌いな年下のおとこのこ


何があったと見据えれば、嘘の苦手な聖は目を左右に揺らした。


「いや、なんにもないよ?」
「…聖、お前嘘つく時に唇触る癖あるの知ってるか」
「うそ!?」
「嘘だ。やっぱり何か隠してんだろ、オラとっとと吐け」
「ぐっ…」


聖は降参したのか、肩を落として箸を置いた。


「…瑞希くんはさ、思いもよらない人から告白されたらどう断る?」
「は?」


その瞬間に聖が飛鳥に告白を受けたのだと直感した。

あの男、やっぱりやりやがった。

瑞希は会ったこともない男に明確な殺意を抱いた。

またそれと同時に、どうしてこうも脇が甘いのだと聖のノーガードさにも腹が立った。



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