女嫌いな年下のおとこのこ



「そろそろ本格的に引き継ぎを始めようか」


飛鳥と共に部長に呼び出され、今後の展開の話を聞く。

それと共に、社内でまことしやかに囁かれていた話が現実となった。


「あとね、小耳に挟んだかもしれないが来年フランスに支社を置く事が正式に決まってね。その現地メンバーを2人に担当して欲しいんだ」
「部長、それは私達がその支社へ赴任するという事でしょうか」
「そうだね。それが理想だ」


現地での社員も募るが、本社からも数人送る事になるという。

そしてこの部署で抜擢されたのが、聖と飛鳥の2人だった。


その話を聞き、聖は揺れていた。

数ヶ月前の自分ならば、諸手を挙げて喜んだ。
だってこれは間違いなく栄転だ。

これまでの努力を認められて喜ばない訳がない。

だというのに、最初に頭を過ぎってしまったのは瑞希と離れ離れになる事だった。



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