女嫌いな年下のおとこのこ


あの日から飛鳥は大きく態度を変える事は無い。

真面目に仕事をしてくれるし、残業も付き合ってくれる。
時折こうして暴走をしかけると止めにも入ってくれる。

本当にできた後輩だとしみじみと思いながらデスクに戻れば、最近席の移動で隣に移ってきた飛鳥から食事に誘われた。


「あー…うん…」


気まずくないと言えば嘘にはなるが、ここで断るのも自意識が高過ぎる気がしたのでランチくらいならと思い、近くの定食屋へ向かった。

比較的早い提供をしてくれる店にも関わらず意外と穴場で、此処で同じ会社の社員に出くわす事はほぼ無い。

因みに見つけてきたのは飛鳥で、こうして何度か声をかけられ食べにきている。


「海外赴任の話、どうするんですか」


注文したランチが届くと、飛鳥がそう話を切り出してきた。


「うん…まあ、他に適任も居ないし行く事にはなるんだろうね」
「あんまり嬉しくなさそうですね」
「そんな事ないよ」


曖昧な笑顔で返すと、飛鳥は途端に表情を変える。



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