女嫌いな年下のおとこのこ

「俺は白河さんと行けるって聞いて嬉しかったです」
「飛鳥くん…前にも言ったけど」
「分かってます。けど今後、俺が白河さんのお役に立てるって証明できれば分からないですよね」
「それは…」


この数週間だけでも分かるほど、飛鳥は出張から帰ってきてからもメキメキと成長していた。

言葉通り聖の役に立とうと必死になってくれていることが分かる。

とても良い子だ。
それに本当に自分の事を好いていてくれている。

無謀な恋をするより彼のような人に心を預けて仕舞えば楽だろう。

それでもどうしても、その想いに応えたいとは思えなかった。


「ごめんね。君はとても優秀だし素敵な人だよ。けど残念だけど気持ちには応えられない。…君にはきっと、他に良い人がいるから」


だから諦めて欲しい。

健気な彼に残酷な言葉を告げるのは辛かった。
けれど傷は浅い方がいい。

飛鳥ならきっと、もっと若くて可愛くて彼のことを何より大事にしてくれる人に出会えるはずだ。