女嫌いな年下のおとこのこ


しかし飛鳥は全く耳を貸そうとはせず、それは無理ですと言い、こちらの心を見透かすように告げた。


「前から思ってましたけど、白河さん好きな人居ますよね」


カシャンと音を立てて箸が落ちた。

慌てて拾うとそれを聞きつけた店員がやってきて新しい物と差し替えてくれ、聖は申し訳ないと謝りながらそれを受け取った。


「どうしてそう思うの?」


バレるような言動は一切していないはずだ。

心臓が嫌な音を立てて鳴り響くのを感じつつ、聖は飛鳥の答えを待つ。


「時々スマホ見て微笑んでますから」


分かりやすいですよ、と飛鳥は付け加えた。


「それならどうして…」
「片想いなんだろうなって。それならまだ付け入る隙は十分あると思ったので」
「……」


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