女嫌いな年下のおとこのこ


なんとなく落ち着かずグラスのステム部分を撫でながら言い切った。

瑞希はしばらく黙っていたが、ゆっくりと口を開いた。


「…どれくらい行くんだ」
「どうだろう。最低でも2年は帰れないと思う」
「……」


瑞希がまた黙り込む。

彼はこれを聞いてどう思ってくれているだろう。
少しでも寂しいと感じてくれたなら嬉しいけれど。


「…なんで聖なんだよ」
「え?だってそれは私がほとんど担当してたし…」
「あいつも一緒なのか」
「あいつ…飛鳥くんの事?そうだね、多分そう」
「…っ」


瑞希の顔が歪み、少し意外だと目を見張る。

怒っているようにも見えるが、それだと理由が思いつかない。

確かに会えなくはなるけれど、別に連絡だってこれまで通り取ろうと思えば取れるし、彼にとっては疎遠だった幼馴染がまた疎遠になるだけだ。



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