女嫌いな年下のおとこのこ



「ごめんね、瑞希くん」
「…何に対しての謝罪なんだよ」
「それは…」


先の言葉を告げようとした時、聖のスマホが鳴った。

通知音から電話である事が分かった。

無視をしようかと思ったがなかなか鳴り止まず、音だけでも切ろうと目にした名前に思わず固まった。


飛鳥だ。

昨日の今日だ。
時間も時間だしプライベートである可能性が高い。

けれど仕事の電話という線も捨てきれない。

どうしようか悩み困惑していると、手元にあったそれは瑞希に奪われた。


「瑞希く、」


その目はこれ以上ない程に真剣だった。

その圧力に思わず息を呑み一歩後ずさる。

瑞希を怖いと感じたのは、初めてだった。


「…選べ」
「え…」


瑞希はそう言うと、スマホをテーブルの上に置いた。


「俺か、こいつか、選べ」



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