女嫌いな年下のおとこのこ
「それなら俺、貴女を諦めなくて良いですか」
「いやそれは…」
「本当は身を引くつもりでしたけど、可能性があるなら俺、諦めません」
「飛鳥く、」
「それだけ伝えたかったんです。貴重な休憩を潰してすみませんでした」
飛鳥は再び頭を下げ、こちらの返事を聞くことなく部屋を出て行った。
「可能性、か…」
こんなにも辛いのに、彼を忘れられる日なんて来るんだろうか。
これまでだって恋はしてきたはずなのに、今までのそれとは明らかに違う。
今の聖には、瑞希以外を想う姿が想像できなかった。
結局昼休みの間はそこから動けず、ただ立ち尽くして終えた。