女嫌いな年下のおとこのこ
その後はまた以前の聖に逆戻りだった。
がむしゃらに働き、帰って眠る。
食事もおざなりで日に日に不摂生は体に現れていた。
上司や同僚からの注意も入ったが、聖は大丈夫だと告げるばかりで聞き入れようとしなかった。
人より体力があると自負もしていたし、休みだってゼロな訳ではない。
休みには死んだように眠り、また生活のほとんどを仕事に捧げる。
忙しくしていないと耐えられそうも無かった。
気付けば瑞希と全く連絡を取らなくなって3ヶ月が過ぎ、季節は冬へと移り変わっていた。
冬の寒さを感じると瑞希と再会した日を思い出してしまう。
結局懸念した通り、聖は心から瑞希の存在を消し去ることは未だに出来ていなかった。
飛鳥からもあれから何度もアプローチを受けてはいたが、非情だなと思えてしまうくらい響かなかった。
そんな折、とうとう社内で正式に聖と飛鳥のフランス支社異動の辞令が下りた。