女嫌いな年下のおとこのこ
送別会を兼ねて部署が飲み会を開いてくれ、主役が断る訳にもいかないので聖は渋々参加した。
飲み会が始まるや否や飛鳥は女性社員達に囲まれ、その女豹の如き勢いに時折こちらに助けを求める視線を送ってきていたが聖はサムズアップを返すだけで助けようとはしなかった。
自分への無謀な恋を諦めて欲しかったので、可哀想だけれど聖にとってこの状況は好都合でしか無かった。
「白河〜!お前頑張れよ!」
「課長、ありがとうございます」
祝いの言葉をかけにきてくれた上司からのビールを注がれながら聖は笑顔で返す。
「お前結局独り身での渡仏だし、あっちで男作ってうつつ抜かしてたらすぐ引き戻すからな!」
「あははーそうですねー」
出来上がったこの人には何を返しても無意味なので棒読みで適当に返す。
「一時期綺麗になって春だと思ってたのに結局また仕事中毒に戻るしよ〜上から怒られるのは俺なんだぞ?」
「ハーイすみませーん」
「なあ〜ぶっちゃけお前、あの時男が居たろ?」
「あははーどうでしょうねー」
「俺はてっきり飛鳥とデキるもんかと思ってたんだがなあ」
「はは、私なんて飛鳥くんに失礼ですよ」