女嫌いな年下のおとこのこ
「俺が変に焚き付けちゃったからさあ、拗らせてないか心配で」
「拗らせるって何。…というか、瑞希くんとは会ってもないよ」
「は!?」
聖の言葉に身を乗り出して声を上げ、一ノ瀬はオロオロと詰め寄る。
「会ってないって…お前ら同棲してたんじゃねえの?」
「なんで知ってるの?」
「あっ…」
しまったと口を押さえる一ノ瀬に違和感を感じ、今度は聖が問いかける。
「さっきから焚きつけたとか拗らせるとか…意味が分からないよ。私達ただの幼馴染なんだよ、何かある訳ないじゃない」
「お前…マジでそれ言ってんの?」
「?何が?」
「……っはー…白河、お前さあ…」
一ノ瀬は頭を抱えて心底呆れたように言う。
「それ、ちゃんと瑞希の気持ち聞いての言葉か?」
「聞かなくても分かるよ。だって瑞希くんは女嫌いで、私は女。一生平行線じゃない」
「うーわ、ダメだこりゃ」
「何?喧嘩売ってる?」
「喧嘩も売りたくなるわ。だってお前何も分かってねえもん」