女嫌いな年下のおとこのこ
「何しにきたんだよ」
開口一番の言葉は酷く冷たいものだったけど、ここで怯む訳にはいかなかった。
「謝りに来たの」
「ハッ、何を今更」
「瑞希くんの言う通りだよ。私がバカだった。今更って自分でも思う。…それでも、どうしても会いたかったの」
「……」
瑞希はしばらくこちらを睨んだ後、視線を落として「入れよ」と言った。
部屋に足を踏み入れ、玄関で立ったままお互い視線を交わす。
「んで話って何?しょうもねえ内容ならすぐに追い出すからな」
懐に手を入れたままこちらを見ようともしない瑞希に痛む心を我慢し、聖は真っ直ぐに見つめて告げた。
「私、瑞希くんが好きなの」
「…は?」
ようやく視線の合ったヘーゼル色の瞳に、どうしようもない愛しさが込み上げてくる。
「もちろん恋愛として。男として瑞希くんが好き」
「……」
「…我慢できないくらい好きになったから、離れたかったの」