女嫌いな年下のおとこのこ
聖は朝が弱いらしく、目が覚めてしばらくは座ったままぼーっとしていた。
可愛らしいななどとは口が裂けても言えないが、その姿を見るだけで胸が満たされる。
聖に完全に振られてからは地獄のような日々で、何の面白みもない日々を過ごすだけだった。
適当に引っかけた男と夜を過ごしても、ただ虚しさが増すばかりで早々に辞めた。
今までに無いほど弱っていたと思う。
それほどまでに聖からの完全な拒絶は堪えた。
何もする気が起きずに荒れ果てた部屋を見て嫌気が差し、流石に片付けねばと重い体に鞭を打って部屋を整え風呂まで終えたその時、予期せぬ来訪者にキレそうになったのは言うまでもない。
どうせ連れ込んだ男の誰かが忘れられないだの理由をつけて上がり込んでくるんだろうと思い、無視して切ってやろうとモニターを目にした途端、そこに映っていたのが聖だった時には冗談抜きで呼吸を忘れた。
期待を込めて家に上げれば、ずっと好きだったなどと今更ふざけた事をほざくので一回シバいてやろうかと思ったが、いつも姉ぶっている聖が涙を浮かべて自分に縋る姿を見てしまってはもう降参する他なかった。