女嫌いな年下のおとこのこ
もうなんでもいい、聖が自分の物になってくれるなら全て無かったことにする。
どうせ先に惚れてしまった自分が聖に敵うことなど一生ないのだから。
「聖、そろそろ目ぇ覚ませ。メシ冷めるぞ」
そう言いながらベッドサイドに腰を下ろせば、聖の身体が寄りかかってきた。
「瑞希くん…私、変になっちゃった」
「なんだよ藪から棒に」
体を支えるように腕を回し頭を撫でてやれば、子猫が甘えるように肌をすり寄せてくる。
「私、ずっと仕事が1番だったの。彼氏を作るより、能力を認められる方が嬉しかった」
「…ん。それで?」
「でもね、今は瑞希くんの方がずっと大事なんだあ…」
間延びした声でそう言ったかと思えば、聖はポロポロと涙をこぼし始めた。
「離れ離れになるの、やだな…」