女嫌いな年下のおとこのこ



ーー3年後。




瑞希は国際空港にいた。

理由は当然、聖の帰国だ。

聖の一時帰国の際には必ず空港まで迎えに来ていたが、今回がこれで最後になる。

到着時刻を表示させた電光掲示板を見るが、遅延の情報は無い。

そろそろ出てくるかと出口付近で待っていると、「おーい」と間の抜けた声が耳に届いた。


「瑞希くーん」


こっちだよ、と手を振りながら自分の体の半分以上はあるであろうキャリーケースを引きずりながらこちらに向かってきている。

手に持っていたスマホを懐に仕舞いながら彼女に向かって歩み寄れば、聖は近付くにつれ足を早めその勢いのまま抱きついてきた。


「ただいま!」
「ん、おけーり」


このやりとりも何度目だろうか。

毎度飽きもせずに抱きついてくるので、こちらも毎回同じ様に頭を撫でてやる。




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